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  • 駐車場:あり

所沢の資料館スタッフの方に教えていただいた「滝の城」、別名「本郷城」。
室町時代に築城されたとされていて、後に北条家の持城として八王子と北関東を結ぶ重要な連絡拠点となりました。

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敷地内に滝があったので「滝の城」と呼ばれるのですが、現在は枯れてしまって見ることができないそうです。

遊歩道に沿って歩いていると土塁や空堀の跡がキレイに分かります。

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三の丸跡。

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この三の丸はかなりの崖の上!城周りがよく見渡せます。

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崖以外の三方は空堀と土塁に囲まれています。

三の丸内にある大井戸跡。

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籠城戦に備えて、敵の手に落ちない城の中心部に井戸が必要なわけですが
この標高、水が出る深さまで掘るには相当大変だったでしょうね。
6段の階段を伴った径10mの井戸だったそうです。

 

こちらが二の丸跡。

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平成24年には4本の柱穴を伴った方形の土杭が検出され、
柱穴内からカワラケ(素焼きの陶器)、土杭の底からはノコギリが出土しました。
二の丸造成前に掘り込まれていることなどから
築城の際に地鎮祭的なものが行われた儀礼跡ではないかと考えられています。

 

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本丸があったとされる場所には現在「城山神社」が鎮座しています。

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滝の城の落城跡は愛宕神社が祀られていたそうですが
明治時代に村内のほかの神社を合祀した際、城跡の名をとって「城山神社」と改名されたんだとか。

 

稲荷神社の夫婦欅。

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滝の城の本丸跡であることを示す碑。

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四脚門跡。

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内堀をまたいだ北側の「馬出し」に向かって掛けられていた木橋で、戦火により焼失したと考えられています。
火縄銃の弾なども出土しているそうで、生々しい戦の痕跡となっています。

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確かに見晴らしは抜群に良いですね。眼下に武蔵野線も見えました。

城跡も大切な史跡ですが、実はこの崖中腹には古墳も発見されています。
7世紀ごろのものと思われる横穴式古墳で中からは金環や硝子玉等の遺物が出土、「滝の城址横穴古墳」と名づけられています。
現在は埋め戻されていて見ることはできないのですが、そんなに遠い時代から魅力的な場所だったということなのでしょうね。

 

城山神社側の入り口。

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坂の後には急勾配の階段をずっと登っていきます。
かなり高い位置に築城されていたことがよく分かりますね。

城の外側に配置されていた物見櫓(ものみやぐら)の跡。

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物見櫓は全部で3箇所あったとされています。

周囲の茂みの中には立派な不動尊もありました。

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この木々の間を進んでいくと・・

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血の出る松・・・?
傷をつけると赤色の樹液が出るとされる大きな黒松があったそうです。
その赤色は落城した際に討ち死した城兵の血!という言い伝えが。
昭和47年に伐採されてしまったそうで
今はその跡地だけが残されていますが、ちょっとヒンヤリな気分になれます。

滝の城跡、とても保存状態が良いため近年の城ブームで訪問者も増えているとか。

縄張り図
※所沢市の資料より転載

例年5月の第3日曜日には「戦国滝の城まつり」が開催され、
武者行列、合戦絵巻、剣舞などのイベントも見られるそうです。

所沢の戦国時代を感じながらの散策に、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

(2015/08/21取材)


アクセス:
JR武蔵野線「東所沢駅」下車 徒歩約25分
西武池袋線/新宿線「所沢駅」東口から西武バス(志木駅南口行き)「城」下車すぐ