ふじみ野周辺おすすめスポット情報

  • 開館時間:10:00~16:30(5月~9月)
         10:00~16:00(10月~4月)
         ※離れの2・3階特別公開日はホームページ参照

    入館料:一般・学生100円/児童(小学生~高校生)50円
    駐車場:あり

新河岸川の船着場にはコスモスの花が、向こう岸にはススキが群生していました。秋ですね♪

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船着場なので川面ぎりぎりまで降りることができ、今にも舟が着きそうな雰囲気が味わえます。

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川沿いはずっと遊歩道になっていて、途中に野草園などもありました。

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生き物を大事に自然の姿を残すことを重視しているので少し歩きづらい箇所もあり、
ジョギング等には向かないかもしれませんが、ちょっとした森林浴をしながら歩ける癒されスポットです。

新河岸川にかかっているここの橋は「養老橋」。

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川向こうが「古市場河岸」、手前が「福岡河岸」、2つのライバル船着場を結ぶ橋で
新河岸川の舟運が盛んだった当時は大変な賑わいだったそうです。

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橋の地面には帆船の絵が埋め込まれていました。

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斜め格子が河原の風景と馴染んで美しいですね。

 

福岡河岸記念館は河川敷から少し坂を上ったところにあり、
回漕問屋(船問屋)福田屋の建物が現存しています。

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船問屋とは川を使って運ばれてきた荷物を預かり他の店に渡す商売で、
この福田屋にも1日300人の人が訪れたといわれています。

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右側が主屋、中央奥に見える3階建てが離れ、その左隣が文庫蔵です。
主屋の1階は店、2階は主や家族・使用人の部屋とのこと。

1階には帳場がありました。今にも番頭さんの声が聴こえてきそう。

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大きなそろばんや運ばれてくる荷物の種類や数を記す「大福帳」という帳簿もあります。
あまりに忙しいので、お金は計算した後に隣の金庫部屋に飛ばしていたとか。

帳場横にある箱階段は裏表両方からたくさんの引き出しが使えるようになっており、
スペースが有効に使われています。きっと物も多かったのでしょうね。

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箱階段を登ると主屋の二階へ。

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こちらも当時の雰囲気そのままに残っていますが、
ここの欄間はとても細い線でこまかく凝っていて職人の技が光ります。鶴かな?

再び1階に降りて奥の部屋。

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正面の障子、六角形の部分は飾りを施したガラスがはめ込んであります。
当時のガラスは高級品、この家の品格の高さを感じさせますね。
その上にある戸棚には桃太郎のお話が描かれています。動物が擬人化されているので面白いです。

こちらは広い土間。大きなかまどがあります。

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外には井戸も見えますね。

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土間で大量のお湯を沸かして来客専用だった離れのお風呂に運ぶ、なんてこともしていたようです。

その離れにも入れてもらいました。こちらにもガラスが多用されています。

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この角の取れた長方形の枠を作るのも職人技なんだとか。

これはトイレの扉。

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せんなりひょうたんの板が嵌め込んであっておしゃれです。下の方には亀も彫ってあります。
トイレ自体も陶製で凝った模様でした。庶民じゃ落ちつかない感じ・・

離れには6本の通し柱(3階まで達する長く太い柱)があり、
このおかげで関東大震災にも東日本大震災にもびくともしなかったそうです。

この離れの2階・3階は特別公開日にのみ入ることができます。
取材した日は平日だったので遠めに見るだけですが緑色のステンドグラスがちらりと見えました。

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3階からは座った状態でも東に筑波山、西に富士山が望める贅沢な設計になっていて
紫檀や黒檀を使った見事な床の間もあるんだとか。
一度観てみたいものです。

大工職人達には納期を決めずにその代わり素晴らしいものを作るよう注文されていたそうです。
なるほど、その豪華さがよく分かる福田屋さんでした。

(2014/10/28取材)

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福岡河岸まつりの日、
特別に夜間公開&ライトアップされていたところを
スタッフの方々のご厚意により、離れの2・3階の取材を許可いただきました。

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福田屋さんは少し高い位置に建てられていることもあって
3階建ての離れは川側からみると7階建てのビルほどにも匹敵し、
当時は新河岸川沿いのランドマーク!として聳えたつ存在でした。

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まずは離れ3階客間。

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10畳の和室です。

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床の間の柱は紫檀か黒檀か・・高級な素材なのは確かなのですが
専門家でも意見が分かれて、当時の資料が残っていないので謎のままだそうです。

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外は夜景なので奥行きが分かりにくいですね・・
周りに高い建物がなく、新河岸川も武蔵野台地も遠くまでよく見渡せます。

星野仙蔵氏の妻登美さんは
「3階にのぼりて見れば西に富士、東に見ゆるはつくば山・・・」と詠んだとか。
天気の良い日にはスカイツリーも眺むことができるそうです。

格子デザインが近代的な障子には
松葉が描かれたガラスが埋め込まれていました。

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この下にある腰板には「近江八景」の絵が1枚ずつ浮き彫りにされています。
この地で琵琶湖畔の風景が見られるのは不思議な気分ですが
とにかく素晴らしい意匠でした。

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西側の窓には白、緑、透明の3色のガラスが組み合わされています。
前回の取材でチラリと見えた緑色はここの窓だったんですね。

夜だとあまりよく分かりませんが、
昼間に訪れると、ここから差し込む陽の光も色づいて床の間に映り、
大変美しいんだそうです。

欄間にある透かし彫りはひとつとして同じものはないのだとか。

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この彫の職人技だけでも驚きなのですが、
夜に明かりをつけて廊下の天井を見上げると・・

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まるでレース模様のようなシルエット!
その美しさに思わず息を飲みます。

階段を降りて、2階客間に案内していただきました。こちらも10畳和室。

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3階と同デザインの飾り窓です。

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こちらは白と透明ガラスの組み合わせで、枠の部分が漆塗りになっています。

3階へのぼる廊下の欄間には
亀が剣道している姿の透かし彫りがあります。
暗くて上手く写真が撮れなかったので光を当てて透かした先を撮影してみました。

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亀の甲羅と竹刀・・が分かるでしょうか。

ここでは1匹しか見えませんが、実際は2匹の亀が試合をしています。
よくみると剣道防具まで彫ってある懲り様。
剣道家だった仙蔵氏のちょっとした遊び心が面白いですね。

昼に訪れても夜に訪れても特別感が味わえ
さりげなく細かいところにまで贅を尽くした、これぞお客様のための部屋、
とても気品あふれる空間でした。

是非多くの方にご覧いただきたいのですが・・・

階段が非常に急で危ないのと、
VIP用の客間として作られており、大人数で部屋に入ることは想定されていないので
建物保存を第一に考えて
今は限定公開日に更に人数制限をして案内をしているとのことでした。

原則として国民の休日の昼間には公開していることが多く、
夜間に一般公開されるのは不定期に年1度ペースで、
冷暖房が使えないので春か秋、だそうです。
マメにサイトをチェックしていれば、良い機会にめぐり合えるかも?

(2015/08/22取材)

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2・3階離れの昼間の姿を見たい!ということで一般公開日に再度訪れました。

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薄く雲がかかっていますが、遠くのビルの姿まで見渡せる眺望です。

3階窓。

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陽の光が差し込むときでないと見られない、緑と他色のガラスが作り出す影。

白いガラスの部分はうっすら影になって緑と透明の四角形が美しく並びます。
太陽の傾きによって、影が伸び縮みするとまた様々な趣がありそうです。

8枚の障子腰板もしっかり拝見できました。
写真で見ると少し見難いかもしれませんが、せっかくの近江八景、紹介します。

唐崎夜雨(からさきのやう)

0002からさき

石山秋月(いしやまのしゅうげつ)

0003いしやま

矢橋帰帆(やばせのきはん)

0004やばせ

瀬田夕照(せたのせきしょう)

0005せた

三井晩鐘(みいのばんしょう)

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比良暮雪(ひらのぼせつ)

0007ひら

堅田落雁(かたたのらくがん)

0008かたた

粟津晴嵐(あわづのせいらん)

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どれも見事に精密な浮き彫りですが、どなたの作品かは記録に残っていないそうです。

欄間の模様も昼間に見るとまたくっきりしていて、精巧さがよく分かります。

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2階の欄間にはひし形のモチーフが多用されているようです。

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前回の取材でとり逃した亀の柔道風景。これは3階。

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2階欄間にいる亀さん達。かなりの真剣勝負!

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2階の窓です。

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単なる飾り窓だと思っていましたが、ガラス部分は引き戸、さらに格子の向こうに外開き雨戸があるんですね。
防犯面も考えられた作りです。

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裏から見るとこんな感じ。先程開いていたのは2階右側にある窓。

黒い板張りの壁面がまた独特で正面とは違った雰囲気がありますね。

つい建物に集中してしまって見逃してしまいがちなのですが、
このような裏庭もきちんと整えられていて静かな見どころです。

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庭越しに離れを・・

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正面の庭越しに文庫蔵を・・

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お月見シーズンなので、ススキも飾られていました。

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裏に回って井戸と台所棟です。

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二階は現在観覧できませんが男性の使用人専用のお部屋です。
こう見ると結構な高さがありますね。

女性の使用人部屋はかなり天井も低く狭いのに・・などと比べてみるのも面白いです。

問屋入り口の秘密も説明してもらいました。

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入り口の柱は外すことができるんです!
営業中は広く開放してたくさんのお客さんに対応できるわけですね。

で、閉店後は柱を再度つけて、このような上下に動く木製の落とし戸で閉めていたそう。

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昔の店舗用シャッターですね。
同じような作りは川越の蔵づくりの店舗でも見られます。

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で、下の敷居もカポッと外れてバリアフリーにできる仕組み。
大八車ごと店に入ることもあったそうなので、その名残ですね。

まったく奥が深い記念館です。

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解説がないとうっかり見逃してしまうポイントが多いので
記念館スタッフの方々のガイドも合わせて楽しむことをオススメします。
3回訪問した私達でも毎回新しい情報を教えて頂いているくらいですから・・

(2015/09/23取材)

★MACHI-PEDIAふじみ野チャンネルで動画もアップしています♪

 


アクセス:
東武東上線上福岡駅東口下車 徒歩20分
上福岡駅より西武バス南古谷駅行き「城北埼玉中学・高等学校」下車徒歩3分