ふじみ野周辺おすすめスポット情報

  • 開園時間:9:00~16:30
    休園日:月曜日・休日の翌日・年末年始(12月27日~1月4日)
    駐車場:あり
    トイレ:あり

旧高橋家住宅は江戸中期18世紀前半の建築と推定される木造平屋建・茅葺の農家建築で
江戸時代のこの地域における一般的な農家のたたずまいと推定されています。

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平成まで住居として使われていたので改築や修復などもあったようですが
建築当初から使われ続けている部材が多数残されていたことから
一旦建物を解体し、これらの部材の加工痕跡等を元に建築当初の姿に復原しています。

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周囲には、納屋・倉等の付属屋の他、畑や雑木林が広がり、
武蔵野の農家の景観を今に伝えるものとして、
敷地もあわせて重要文化財に指定されています。

茅葺の主屋。

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古民家というと、
庭に面した部分に縁側があり、雨戸や障子戸などで仕切られた開放された家、
というイメージですが、ここ旧高橋家は土壁に囲まれ、窓は最小限。
その窓にも格子が入っていて、なんだか閉鎖的?

戦乱時代の名残とも、山賊の襲撃から守るためとも、
この辺りはイノシシやキツネなど野生動物も多かったからとも、
とにかく外部から侵入を防ぐでもあったと言われています。

真夏は外がどんなに暑くても中はヒンヤリしているそうですよ。

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手前からザシキ、デイと呼ばれる部屋。

左側の窓に頑丈な格子が入っているのが分かりますね。
イノシシの侵入を防ぐという意味から「シシマド」と呼ばれています。

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デイというのは客間のことです。
畳かと思ったら、竹簀(竹のすのこ)の上にゴザが敷かれていました。

こちらが奥の間。

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デイと奥の間は竹簀の床で、他の部屋は全て板床。
窓がすくなく通気性に乏しいから、床の方で空気を通していたのでしょうか。

ザシキの囲炉裏と土間。

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囲炉裏を囲んでどんな話をしていたんでしょうね。

左端に少し見えている板張りの壁の空間は「押板」と呼ばれています。
いわゆる「床の間」の前身で、花や絵画を飾ったり、
神仏や先祖をおまつりする仏壇・神棚のようにも使われていたようです。

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現在の押板には国の重要文化財指定書が飾られていました。

土間から上を見上げると高い天井裏に美しい茅葺が見られます。

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芸術品ですね。

外に出てみると、昔のあそび道具がキレイに並べられていました。

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コマや羽子板、お手玉、剣玉、だるまおとし、竹とんぼ・・子ども達が来たら喜びそうです。

明治時代に建築されたという納屋(コエマヤ)。

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農機具など頻繁に使用する道具類を収納したり、農作物の一時保管に使用していたそうです。

昭和22年建築の倉。

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日常食器などのほか、婚礼など人が集まるときに使う膳椀・火鉢などを収納していました。

井戸。

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深さ約10m。
井戸を守る井戸小屋の屋根瓦は倉と同じものだそうなので、同じ時期に作られたのかな?

室(ムロ)。
収穫した野菜などを貯蔵するための施設です。
朝霞市周辺では、主にサツマイモを保存するのに使用していました。

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地表から人が通れる程度の縦穴をまっすぐに掘り、
ある程度の深さで横穴を掘って空間を作っているとか。
手作りの地下貯蔵室ということですね。

木小屋。

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燃料にする薪や木の枝などを保管する小屋です。
今はかまどや囲炉裏に火を入れているため、現役で使われています。

祠(ほこら)。
水神がまつられていた祠です。

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以前はこの祠のしたに湧き水があったと伝えられています。
水神をまつることには、水難よけだけでなく、
農業で欠かせない水の恵みへ感謝する気持ちも込められているんだとか。

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自然のままに古道が残されています。
舗装された道路に慣れてしまっていると
この風景だけでも古き良き時代を感じてしまいます。

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こちらは畑。

現在もボランティアの方々によりたくさんの農作物が植えられています。

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近所にある根岸台市民センターにも展示コーナーがあり、
ボランティアやスタッフの方々によって、不定期に展示更新されます。

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旧高橋家住宅、さすが国指定の重要文化財です。
歴史にふれる体験としても、癒しとしても、一度訪れる価値あり!です。

(2015/09/02取材)


アクセス:
東武東上線「朝霞」駅東口より約25分
国際興業バス 湯~ぐうじょう行「根岸」バス停下車7分
朝霞市内循環バス(根岸台線)わくわくどーむ行「岡3丁目」下車徒歩3分