ふじみ野周辺おすすめスポット情報

  • 駐車場:あり
    入場料:無料

多福寺は元禄9年(1696年)に川越藩主の柳沢吉保によって
開拓農民の菩提寺として上富地蔵林の中に建立されました。
正式名称は「臨済宗三富山多福禅寺」。

当時は様々な出身地の農民が集まっていたので揉め事もよくあったそうで
この菩提寺のおかげでまとまりや連帯感が出てくるようになったんだとか。

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堂々とした山門です。額には「呑天閣」と書かれているそう。
中には十六羅漢が人々の喜怒哀楽の表情をたたえて安置されているそうです。

埼玉県指定有形文化財になっている多福寺銅鐘。

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当時重臣だった曽根権太夫が寄進したとされています。

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この鐘には長い銘文が刻まれています。
その内容は三富開拓や多福寺建立のいきさつ、柳沢吉保の功績など、
歴史資料としてもとても重要なものになっています。

「元禄の井戸」

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開拓当時の井戸ということですね。

この辺りは川もなく、当時は飲用水を確保するのが大変だったんだとか。
井戸を掘っても完全に水が出なかったりして、
真夏には柳瀬川から水桶に入れて運ぶ・・なんてこともあったそうです。

ここの井戸の水は「甘露水」と呼ばれて愛されていたと書かれていました。
甘露水・・よほど美味しく感じたのでしょうね。

こちらは観音堂です。

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左にある大きな木はモミジ。本当に大木です。
秋の紅葉シーズンにはさぞかし美しく染まるのでしょうね。

観音堂の手前にはこれまた立派な藤棚があります。休憩ベンチ付。

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こちらの奥が本堂。

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本堂と庫裡は二度の火災にあい、現在のものは明治時代に再建されたものです。
取材時は雪が残っていて、しっとりと冬の趣です。

本堂前に大きなしだれ桜があるのが見えます。
これはお花見シーズン必見ですね。
歴史があるだけに、ここの木はどれも立派で大きい!

本堂裏の庭園は枯山水だそうで、こちらは正月の5日間のみ有料公開されるそうです。

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本堂の扁額。福を呼びそうな文字です。

本堂の横にある橋?渡り廊下?先にはお手洗いがあります。

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前庭のあちこちに燈籠が置かれているのですが、
彫刻がひとつずつ異なっていてそれぞれあれこれ凝っています。

これはお花の図柄でしょうか。

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置石の位置も絶妙で、美しい庭です。

ここ多福寺はなんと狭山茶発祥の地だそうです!

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多福寺の開山洞天和尚が境内にお茶をまいたところ成長して繁茂したので、それを三富各戸に分け与えた、
と『三富開拓誌』という歴史書に書かれています。
ここに植えられているお茶は最近植えたもののようですが・・・

庫裡の裏手では椿が咲き終わりの時期でした。

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この椿もまた大きい。電柱と同じくらいの高さがあります。

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椿の向こうには竹林が広がっていますね。

寺の脇道は杉並木になっていて、静かにお地蔵さんが立っていらっしゃいました。

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静寂の中にありながら、歴史を感じるスケールの大きなお寺でした。
花の咲く季節にまた訪れてみたいところです。

(2015/2/2取材)


アクセス:
鶴瀬駅・ふじみ野駅からライフバス(6-A番線)多福寺下車