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「山形樋管」は明治37年(1904年)氷川排水に新河岸川からの逆流を防ぐために造られた樋門です。
新河岸川の堤防と志木側の堤防に挟まれていた南畑村(当時の富士見市)は
大雨時にこの逆流による水害が多く、その対策のうちのひとつだったと思われます。

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レンガ製で通水口の断面形は箱状、扉は木製の引き上げ式。
新河岸川に面した表面のみが現存しており、今は水路改修に伴って移設保存されています。

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使用レンガ数は約8,000個とか。
レンガの積み方は、長面の段と短面の段を交互に積むイギリス積みですが
上端部は短面を縦に一段積みしているところがちょっとオシャレです。

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鳥居のような形をしている門柱は石作りですが、
引き上げ扉は木製、このように美しく残っているのも非常に貴重なんだそうです。

ここでは固く閉ざされていますが、
富士見市のサイトでは引き上げられた状態の写真(移設前)を見ることができます。
http://www.city.fujimi.saitama.jp/35miru/02midokoro/hujimihakkenn/2012-0731-1710-128.html

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こちらは裏側。
土手の中に埋め込まれていた部分が見られるのは移設した建造物ならではですね。
レンガ製の樋管は、明治時代中頃から大正時代初めにかけて
埼玉県内に数多く造られた県を代表する近代化遺産です。

富士見市内にも荒川と新河岸川沿いに7基以上造られましたが
現在はこちらの山形樋管と水越門樋の2つが現存しているだけになりました。

当時の富士見市事情と意匠を知ることができる文化財、大切に残していきたいですね。

(2015/10/05取材)


アクセス:
東武バス「難波田城公園南口バス停」下車、徒歩10分
東武バス「下南畑バス停」下車、徒歩13分